【3カ国生活費比較】韓国・日本・カナダで暮らして感じた違い|トロントの一杯のスープから考える

韓国・日本・カナダでの生活経験から、外食費、住宅・交通の固定費、医療と暮らしやすさを比較します。トロントで友人と食事をしたときの体験を交え、値札だけでは見えない生活費について考えます。




「韓国、日本、カナダ。どこが一番暮らしやすい?」

海外生活や移住、これからの暮らしを考えるとき、気になるテーマではないでしょうか。

私は韓国で育ち、30代から日本で約10年間暮らし、その後50代からカナダで生活してきました。

三つの国で暮らして感じるのは、物価が安いことと、暮らしやすいことは必ずしも同じではないということです。

食事の値段だけでなく、住宅、移動、医療、家族との距離。年齢を重ねるにつれて、生活を支える条件の見え方も変わってきました。

今回は国全体の物価ランキングではなく、私が暮らした地域での経験をもとに、生活費と暮らしやすさの違いを考えてみます。

※体験した時期や地域は項目によって異なります。過去の日本での生活経験は、2026年の価格を示すものではありません。外食の金額は記憶に基づく概算です。


食費・外食|値札よりも「最後の支払額」を見る

韓国で便利だと感じるのは、食堂、市場、スーパー、デリバリーなど、日々の食事の選択肢が多いことです。

日本では、一人分の弁当や総菜、少量の食材が充実している点が印象に残っています。必要な量を選びやすいことは、食費だけでなく、食材を無駄にしない暮らしにもつながります。

一方、カナダで外食するときは、メニューに書かれた価格だけでは予算を考えにくいと感じます。

トロントで、友人とスンデクッを食べた日のこと

先日、トロントで友人と、私を含めて5人で食事をしました。支払いは、それぞれ自分の分を払う形でした。

私が食べたスンデクッは、韓国のスンデという腸詰めが入ったスープです。一杯の価格が20カナダドルを超えていたと記憶しています。

そこに税金が加わり、チップも約15%支払ったと思います。トロントのあるオンタリオ州では、通常のレストランの食事に13%のHSTがかかります。

正確なレシートを確認できていないため、最終的な支払額はここでは記しません。ただ、一杯の食事でも、メニューの価格より実際の負担が大きくなることを改めて感じました。

これは一店舗での体験であり、トロント全体の平均価格ではありません。また、チップの15%は今回の私の記憶で、税金のように一律の率ではありません。

それでも、生活費を考えるうえで大切な気づきがあります。

外食費は、料理の価格だけでなく、税金やチップを含めて考える。

この違いは、日本や韓国での支払いに慣れている人ほど、最初は戸惑いやすいところだと思います。




食費を比較するときにそろえたい条件

三つの国の食費を比べるなら、同じような条件で見ることが大切です。

  • 外食なのか、自炊なのか。

  • 一人分なのか、家族の食事なのか。

  • 税金やチップを含む金額なのか。

  • どの地域で、いつ支払った金額なのか。

古い記憶の価格と、最近の支払額をそのまま並べると、国の違いだけでなく、時期の違いまで混ざってしまいます。

一品の値段に驚くことはあっても、毎月の外食回数や自炊との組み合わせまで考えると、家計への影響が見えやすくなります。


交通と住宅|暮らしを左右する「毎月の固定費」

私が暮らした東京では、鉄道網の細かさが生活を支えてくれました。韓国の都市部でも、地下鉄やバスを使って移動しやすいと感じます。

車を持たずに暮らせるかどうかは、生活費に大きく関わります。

カナダでも、トロントの地下鉄やバスを利用できます。ただ、住む場所や通勤先によっては、車が必要になる場面が増えます。

その場合は購入費だけでなく、自動車保険、ガソリン、修理、駐車料金まで考えなければなりません。

住宅費についても、国名だけで判断するのは難しいものです。ソウル、東京、トロントの中でも、地域、広さ、交通の便利さによって条件は変わります。

家賃が低い場所を選んでも、通勤や買い物に車が必要になれば、別の支出が増えるかもしれません。

住まいと交通は、別々ではなく、合わせて比較する。

コーヒー一杯や食事一回の値段も気になりますが、毎月必ず出ていくお金を先に整理するほうが、実際の暮らしに近い比較になると思います。



医療|「早さ」と「経済的な安心」の両方を考える

医療は、三つの国で暮らす中で、違いを強く感じた分野です。

私の生活経験では、韓国は身近な医療機関を利用しやすいと感じました。日本でも、公的医療保険のもとで医療機関を利用できる安心感がありました。

カナダでは、家庭医や専門医、検査の予約で待つことがあります。ただし、待ち時間は症状や緊急性、地域などによって異なります。

一方で、私自身がカナダで手術と入院を経験したとき、対象となる治療について、手術費や入院費を窓口で支払うことはありませんでした。

この経験から、医療の安心には二つの面があると感じました。

必要なときに診てもらえる安心と、大きな治療費を心配しにくい安心です。

もちろん、「カナダでは医療に一切お金がかからない」という意味ではありません。

オンタリオ州のOHIPにも対象となるサービスや利用条件があります。通常の歯科診療、眼鏡、院外の処方薬などは、OHIPだけではカバーされず、別の制度や民間保険、自己負担を確認する必要がある場合があります。

医療を比較するときは、診察の受けやすさだけでなく、保険の資格、対象範囲、自己負担、継続して通える医療機関まで見ることが大切だと思います。


私が感じた三つの国の違い

ここまでの経験を整理すると、私にとっての違いは次のようになります。

比較する視点韓国日本カナダ
日々の食事外食や持ち帰りなどの選択肢が多く便利一人分の食事や少量の商品を選びやすい外食では税金・チップを含めた予算が必要
移動都市部では地下鉄・バスを使いやすい東京では鉄道網が暮らしを支える住む場所によって車の費用も考える
住まい地域や契約条件まで確認したい広さと交通の便利さを合わせて考えたい家賃と移動費を合わせて見たい
医療身近な医療機関を利用しやすいと感じた公的保険のもとで利用できる安心感待ち時間と保険の対象範囲を確認したい

※全国平均や制度の優劣を示す表ではなく、私の生活経験と比較するときの着眼点をまとめたものです。


50代・60代からは、物価以外の条件も大切になる

若い頃なら、仕事や収入を中心に住む場所を考えたかもしれません。

年齢を重ねると、医療機関への通いやすさ、家族との距離、言葉、気候、日々の移動などの大切さも変わってきます。

自然の多い環境に魅力を感じても、車の運転が難しくなったらどう暮らすか。

便利な街に住みたくても、家賃を払い続けられるか。

海外で暮らすなら、必要なときに自分の言葉で相談できる人がいるか。

こうした条件も、生活費と一緒に考えたいところです。

私は三つの国で暮らして、完璧な国はないと思うようになりました。

便利さを得られる場所もあれば、自然や時間のゆとりを感じられる場所もあります。大切なのは、国に順位をつけることより、自分がこれから何を大切にしたいかを知ることではないでしょうか。



自分の暮らしで比較するための確認リスト

移住や長期滞在を考えるなら、次の項目を書き出してみると、比較が具体的になります。

  • 住みたい地域の家賃と、住居に付随する費用

  • 自炊と外食の頻度、税金を含めた食費

  • 公共交通で暮らせるか、車が必要か

  • 利用できる医療保険と、自己負担になるもの

  • 毎月の収入から固定費を引いた後に残る金額

  • 家族や友人との距離、言葉や気候への適応

円、ウォン、カナダドルを換算する場合は、為替の基準日もそろえたいところです。

ただし、すべてを一つの通貨に換算するだけでは十分ではありません。現地で得る収入と、現地で支払う生活費のバランスも見る必要があります。


For You Plus Alpha

トロントで友人と食べた一杯のスンデクッも、生活費を考えるきっかけになりました。

でも、暮らしの豊かさは、食事の値段だけでは決まりません。友人と会える時間、安心して治療を受けられること、無理なく暮らせる住まい。それぞれに違う価値があります。

お金・時間・安心・便利さ。

そのバランスを、自分の年齢や暮らしに合わせて考えること。それが、三つの国での生活から私が学んだことです。


よくある質問

Q. 韓国・日本・カナダで、生活費が一番安い国はどこですか?

地域、住宅、家族構成、収入、生活スタイルによって変わります。食事の値段だけでなく、住宅費と交通費を含む毎月の支出で比較することが大切です。

Q. トロントのレストランでは、メニューの価格だけを払えばよいですか?

通常の課税対象となる食事には、オンタリオ州のHST 13%が加わります。チップを支払う場合は、その分も予算に含めます。会計時には、サービス料がすでに含まれているかも確認しましょう。

Q. カナダの医療はすべて無料ですか?

すべての医療が公的保険でカバーされるわけではありません。州や利用資格、サービスによって対象範囲が異なります。歯科、眼鏡、処方薬なども、利用できる制度や保険を個別に確認する必要があります。

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参考資料

制度情報の確認日:2026年10月11日。

※本記事は筆者の生活経験と公的資料をもとにした一般的な情報です。個別の体験は国全体の平均や、すべての人に当てはまる条件を示すものではありません。価格、税制、保険の条件は変更される場合があります。

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