【3カ国暮らし比較】ソウル・東京・トロントの夏|実際に暮らして一番過ごしやすかったのは?

暑さ・湿度・夜の過ごしやすさ――3都市で暮らして感じた「夏の違い」

1989年、東京で「蒸し暑い」を体で覚えた夏

私が初めて日本へ渡ったのは1989年。

東京で迎えた最初の夏は、今でもよく覚えています。

「蒸し暑い」

日本語では知っていても、その意味を本当に理解したのは、あの夏だったのかもしれません。

気温が高いだけではなく、湿気を含んだ空気が体にまとわりつくような感覚。外を歩いているだけで汗が出て、「日本の夏って、こんなに暑いのか」と驚いたものです。

それ以上に印象に残っている光景があります。

こんなに暑いのに、長袖のワイシャツを着て通勤する会社員が少なくなかったこと。

「この暑さで長袖?」

当時の私には少し不思議でした。

振り返ってみると、あの夏に出会ったのは東京の気候だけではありません。服装や働き方を含めた、日本独特の夏の生活文化にも触れていたのでしょう。




2026年のソウル、「韓国の夏もこんなに暑かった?」

あれから37年。

この夏、久しぶりに韓国で過ごしていて、何度か同じ言葉が口から出ました。

「韓国の夏も、本当に暑くなったなあ。」

日差しの強さだけではありません。

湿度の高い日は外に出た瞬間から空気が重く感じられ、夜になっても街に熱が残ります。

「夕方になれば少し涼しくなるだろう」と思っていたのに、なかなか気温が下がらない。そんな夜が続くと、エアコンのありがたさを改めて感じます。

そして2026年の暑さは、単なる私の印象ではありません。

8月上旬にはソウルで39℃が予想され、一部地域では夜間も30℃を下回らないほどの厳しい暑さとなりました。韓国では熱中症への警戒も強まり、政府レベルでの対応が取られる事態になっています。

東京とソウル。

街の姿は違っても、夏になると**「昼だけでなく、夜まで暑い」**という悩みはよく似ています。

では、トロントの夏は?

ここで思い浮かぶのが、長く暮らしてきたカナダ・トロントです。

もちろん、トロントだって暑くなります。

30℃を超える日もありますし、カナダにも熱波はやってきます。

それでも私が東京やソウルと少し違うと感じてきたのは、**暑さの「質」**でした。

強い日差しの下を歩けば、やはり暑い。

ところが大きな木の下に入ると、ふっと空気が変わったように感じることがあります。

公園の木陰でひと休みしたり、湖の近くを歩いたり、自転車に乗ったり。

夕方になれば、

「もう少し外にいようかな」

と思える日も多いんですよね。

ソウルや東京で経験してきた、夜までまとわりつくような蒸し暑さとは少し違う――。

私にとってトロントの夏は、**「暑さから逃げる季節」より「外へ出たくなる季節」**に近いのです。


同じ30℃でも、感じ方が違うのはなぜ?

ここが夏を比較するときの面白いところです。

気温だけを見れば、30℃はどこでも30℃。

でも私たちの体が感じる暑さは、数字ひとつでは決まりません。

湿度、風、夜の気温、街の緑、建物や道路が蓄える熱。そして、エアコンの使い方や屋外での過ごし方まで関わってきます。

だから「どこが一番暑い?」という質問だけでは、暮らしやすさまでは見えてきません。

むしろ、

夜は眠りやすいか。
木陰でひと休みできるか。
夏でも外を歩きたいと思えるか。

長く暮らすとなると、こうした小さな違いのほうが大切なのかもしれません。



夏はこれから、もっと変わっていくのか

気になるのは、これからです。

日本の気象庁は2026年2月に発表した暖候期予報で、2026年夏の平均気温は全国的に高くなる見込みとしていました。東日本では「高い」確率が60%と予測されていました。

韓国でも今年、記録的な暑さが現実になっています。

そしてカナダも、熱波や山火事と無関係ではありません。

そう考えると、これからの夏を語るとき、

「どの街が涼しいか」

だけを比べる時代ではなくなっていくのかもしれません。

暑さから健康をどう守るのか。
都市に木陰や緑をどう残すのか。
エアコンに頼りながら、増える電力消費とどう向き合うのか。

夏の暮らし方そのものを考える必要がありそうです。



🌿 Plus Alpha|それでも、夏を過ごすなら

東京、ソウル、トロント。

それぞれの街に、それぞれの夏の記憶があります。

東京では「蒸し暑い」という日本語を体で覚え、2026年のソウルでは韓国の夏の厳しさを改めて感じました。

では、

「もう一度、夏を過ごす街を選ぶなら?」

私はやはり、トロントに一票を入れるでしょう。

単に気温が低いから、というわけではありません。

暑い日でも外に出たくなる。
大きな木を見つけたら、その下で少し休みたくなる。
夕方になれば、もう少し歩いてみようと思える。

私にとって過ごしやすい夏とは、そんな気持ちになれる夏なのかもしれません。

皆さんなら、東京・ソウル・トロント――どの街の夏を選びますか?



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