《光と影のあいだで》|心の休息ギャラリー Vol.2
《光と影のあいだで》
― 私たちの心には、光もあれば影もある ―
森の中に、一人の女性がいます。
深い緑の葉のあいだから差し込む光が、
彼女の顔や身体に静かに降り注いでいます。
明るく照らされているところもあれば、
葉の影に覆われているところもあります。
けれど彼女は、
光を求めようとも、
影から逃れようともしていません。
ただ、その両方を受け入れるように、
静かにこちらを見つめています。
その姿を眺めていると、ふと思います。
私たちの人生も、
この森と少し似ているのではないでしょうか。
いつも光の中にいられるわけではありません。
だからといって、
影の中にずっと留まり続けるわけでもありません。
光と影のあいだを歩きながら、
私たちは少しずつ
自分という人間になっていくのかもしれません。
🌿 心の中の森
人の心の中にも、
一つの森があるように思います。
誰かに見せたい明るい場所もあれば、
できれば隠しておきたい影もあります。
うれしい記憶がある一方で、
今も心の片隅に残っている痛みもある。
自信を持って歩ける日もあれば、
誰にも気づかれないように
不安を抱えている日もあります。
私たちはつい、
明るい自分だけが「本当の自分」だと思いがちです。
つらくても大丈夫なふりをし、
心が揺れていても
何でもないように振る舞うことがあります。
けれど、森が美しいのは
すべての場所に光が当たっているからではありません。
光の差す場所があり、
静かな影があり、
その両方があるからこそ、
森には深い表情が生まれます。
人も同じなのかもしれません。
強い自分だけではなく、
弱く、迷い、立ち止まる自分も受け入れたとき、
私たちはようやく
少しだけ本当の自分に近づけるのではないでしょうか。
☀️ 影があっても、光は消えません
苦しい時間の中にいると、
その時間がいつまでも続くように感じることがあります。
歩いても道が見えず、
心の中まで暗くなってしまったような日もあります。
けれど、絵の中の女性を見ていると
気づくことがあります。
顔に葉の影が落ちていても、
光そのものが消えたわけではありません。
むしろ光と影が一緒にあることで、
彼女の表情はより深く見えます。
私たちの人生も同じです。
つらかった時間があったからといって、
幸せだった時間が消えるわけではありません。
失敗したからといって、
これまで歩いてきた道の意味まで
なくなるわけでもありません。
もしかすると人生の影とは、
私たちから光を奪うものではなく、
光がどこにあるのかを、
少しだけはっきり見せてくれるものなのかもしれません。
🍃 木は、風の中でも育っていきます
森の木々は、
穏やかな日だけを選んで育つことはできません。
雨に打たれ、
風に揺れ、
ときには枝を失うこともあります。
それでも季節が巡れば、
また新しい葉を広げていきます。
人もきっと、同じなのでしょう。
幸せだった日だけが
今の私たちをつくったわけではありません。
思い通りにならなかった時間。
心が痛んだ記憶。
遠回りしなければならなかった道。
そんな時間もいつの間にか、
今の自分をつくる一部になっています。
だから過去を振り返るとき、
美しい記憶だけを残そうとしなくても
いいのかもしれません。
光も私の時間でした。
影もまた、私の時間でした。
そのすべてを通って、
今の私がここにいるのですから。
🎨 Artist’s Note | 作家のまなざし
この作品では、人物と自然を
別々の存在として描くのではなく、
一つの風景として表現したいと思いました。
葉や枝が人物を包み込み、
その影が顔や身体へと自然につながっていく。
顔全体を明るく照らすのではなく、
光と葉の影を同時に置くことで、
一人の人間の中にある
さまざまな感情を表現しています。
深い緑や青緑、
あたたかな土の色、
やわらかなアイボリー。
それらが重なり合うことで、
森の静けさと人の内面が
一つの風景になるように描きました。
この作品にとって、
森は単なる背景ではありません。
それは、一人の人間が長い時間をかけて育ててきた
「心の風景」でもあります。
その森には、光もあれば影もある。
どちらかを消すのではなく、
その両方を自分の一部として受け入れていく。
そんな瞬間を、この作品に込めました。
心の休息
今日、あなたの心にも
少し暗い影がありますか。
無理に明るくならなくても大丈夫です。
しばらく、そこにいてもいいのです。
森にも影が必要なように、
私たちの心にも、ときには
静かに休む場所が必要です。
そして、覚えていてください。
今、影の中にいるからといって、
光がなくなったわけではありません。
葉が風に揺れれば、
そのすき間からまた光が差し込みます。
私たちの心も、きっと同じです。
少しずつ。
ゆっくりと。
光も私。
影も私。
そのすべての時間を抱えて
今日まで歩いてきた自分を、
ほんの少し、
やさしく見つめてみてください。
心の安らぎとは、
すべての影を消すことではなく、
光も影も、自分の人生の一部だったと
受け入れた瞬間から始まるのかもしれません。
《光と影のあいだで》
Plus Alpha Portraitism
Contemporary Figurative Painting
Plus Alpha · B.Kim
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